<今月の禅語>    

楓葉経霜紅  楓葉(ふうよう)は霜を経て紅なり


     

秋も深くなると山野の木々は一斉に紅葉して参ります。

先日は久しぶりに本山大徳寺の開山忌大法要(11月22日)に参列のため京都へ

出かけました。暖冬のためか今年の紅葉は二十日以上も遅れているみたいで、

古都、京都の紅葉は丁度見頃でした。


東山にある有名ないくつかの寺院では夜も門を

開放し、ライトアップして観光客の目を楽しませて

くれていたようです。

温暖な玄海町の当寺ではやはりこれほどの豪華絢爛

たる紅葉は見ることは出来ません。

やはり昼夜の寒暖の差の大きい所ほど紅葉の色づきも

良いと言われます。

霜の降り始める晩秋から初冬にかけて一段と紅葉、

黄葉は鮮やかにに色づいてきました。


ここで取り上げた「楓葉は霜を経て紅なり」の語は禅語としての格別の深い意味は

ありませんが、この季節を表す語であることと、人間も厳しい環境を過ごし、

苦労を重ね耐え、克己して来た人ほど人としての深み、重み、人間性がみがかれ、

年輪を重ねた人の美しさが感じられることに重ねて、人生の指針とか、教訓として

この語が尊ばれるのでしょうか。


     



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